C型肝炎に罹患された患者の皆様へ

はじめに

 C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV:hepatitis C virus)に感染することによって引き起こされる、ウイルス性肝炎の一種です。
 C型肝炎の名が広く世に知れたきっかけは、いわゆる薬害肝炎訴訟と呼ばれるものでした。薬害肝炎、すなわち非加熱製剤の投与によって肝炎になってしまった被害者たちが、国や製薬会社を相手に、損害賠償を求める裁判を提起したのです。
 そして、この訴訟は、平成21年1月16日に施行された「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」(以下「C型肝炎救済特別措置法」といいます。)をもって、一応の解決が得られたとされています。
 ですが、給付金の支給を得るための手続は、決して容易ではありません。ここでは、C型肝炎患者又はその相続人が給付金を得るための流れについて、ご説明いたします。

対象者は?

C型肝炎の感染原因としては、注射器の針の使い回しや輸血、ピアスや入れ墨の針の未消毒等、様々なものが考えられます。しかし、C型肝炎救済特別措置法の対象となっているのは、あくまで下記非加熱製剤の投与によってHCVに感染してしまった患者だけであり、残念ながら、全てのC型肝炎患者が対象ではないのです。
 次の①②の要件をいずれも充たした方が、給付金支給の対象者となります。

① 以下の製剤(対象製剤)を投与されたことにより、HCVに感染した方又はその相続人(既に治癒した方、母子感染によって感染した方も対象となります。)。

特定フィブリノゲン製剤

  ・フィブリノーゲン BBank(昭和39年6月9日承認)
  ・フィブリノーゲン ミドリ(昭和39年10月24日承認)
  ・フィブリノゲン ミドリ(昭和51年4月30日承認)
  ・フィブリノゲンHT ミドリ(昭和62年4月30日承認)

特定血液凝固第IX因子製剤

  ・PPSB ニチヤク(昭和47年4月22日承認)
  ・コーナイン(昭和47年4月22日承認)
  ・クリスマシン(昭和51年12月27日承認)
  ・クリスマシン HT(昭和60年12月17日承認)

② 上記の①の要件を充たすことが、裁判において確認された者。

 給付金の支給を受けようとする者は、上記①の事実を裁判手続の中で明らかにしなければなりません。なお、訴訟提起の期限は2023年1月16日までへ延長されました。

給付内容

 上記対象者は、給付金支給請求書及び裁判所の和解調書等の正本又は謄本等をもって、直接、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に給付金の請求をすることになります。
 そして、給付金の金額は、その症状に応じて以下の3段階に分かれています。

1.慢性C型肝炎の進行による肝硬変・肝がん・死亡 4,000万円
2.慢性C型肝炎                 2,000万円
3.上記1・2以外(無症候性キャリア)       1,200万円

 また、いったん給付金が支給された後、20年以内に症状が悪化した場合には、追加給付金(差額)の請求をすることができます。なお、追加請求の場合には改めて訴訟を提起する必要はありません。但し、症状の進行を知ってから3年以内の請求に限定されますので、ご注意ください。

裁判上の問題点

 上述したように、給付金の支給を受けるには、対象製剤を投与されたことにより、HCVに感染したことを、裁判において明らかにしなければなりません。
具体的には、
 ① C型肝炎に罹患していること又は罹患していたこと
 ② 対象製剤の投与を受けたこと
 ③ ②によって①となったこと(因果関係)
これら3点全てを請求者において明らかにすることが必要となります。

 以下、各点の問題点を個別に見ていきましょう。

① C型肝炎に罹患していること又は罹患していたこと

 この事実は、現在かかっている医療機関にて検査をすれば足ることが多いため、そう難しいことではありません。必要とされる検査は、まずHCVに感染していることを明らかとするための「HCVーRNA定量検査」を受けた上、症状の進行状況を明らかとする「肝生検」の検査などが挙げられます。

② 対象製剤の投与を受けたこと

 給付金の支給を受けるにあたっての最大の難関が、この事実の証明です。対象製剤は、止血剤として使用されていたため、主に手術時に投与されていたことが多いのですが、医療機関において対象製剤が最も使用されていたのは、昭和40年代から50年代のことであり、この事実を証明するのに必要なカルテなどの物的証拠が既に廃棄又は当該医療機関そのものが既に廃院となっていることもあります。
 では、そのような場合には諦めざるを得ないのかというと、そうでもありません。カルテなどの物的証拠が何もない場合であっても、当時の担当医の証言などでそれを補うことが可能な場合もあります。本当に何も打つ手がないのか、調査手段はないのか等、事案によって一概にはいい切れませんので、ご自身で判断を下さず、専門家の弁護士に相談されることをお勧めします。

③ ②によって①となったこと(因果関係)

 上記①及び②さえ明らかとできれば、通常、この事実については大きな問題とされることはありません。ですが、手術時において②の他に、大量輸血を併用なさっていた方の場合に、輸血もC型肝炎の感染原因の一つであるがため、③が大問題となってしまう場合もあり得ます。C型肝炎に罹患した原因が、対象製剤にあるのか、輸血にあるのか、はっきりしないからです。

 請求の期限が2023年1月16日に延期されたとはいえ、以上の事実を明らかとするために必要な証拠類は、刻一刻と失われていっているのが現状です。もし、あなた又はあなたの被相続人に、わずかでも思い当たる節があるのであれば、お早めに具体的行動を起こすことを強くお勧めします。

弁護士費用

 給付金を受けるための裁判を弁護士に委任した場合、それにかかった弁護費用の全部又は一部は、裁判の相手方である国の負担となります。但し、国が弁護士費用を負担するのは、あくまで上記要件を全て充たしていると裁判で確認された者に対してのみです。
 そこで、当事務所では、相談の段階で、事前に弁護士費用の見積りをお渡しいたしますので、安心して依頼できます。
 なお、当HPを見られた方は、初回相談料無料で相談に応じますので、お気軽にご相談下さい。

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