2018年10月27日(土) シンポジウムのご案内「憲法改正をめぐる情勢と『国民投票法』」

 10月19日の報道によれば、自民党は、同月24日に召集される臨時国会において衆参両院の憲法審査会に党の憲法改正案を提示できるよう、公明党や野党側に理解を求めていく方針を明らかにし、憲法改正に向けて動き始めました。

 憲法96条は「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と定めています。つまり、憲法を改正するためには、国民投票において過半数の賛成が必要です。

 2007年に成立した国民投票法は、国民投票に関する手続を定めていますが、この法律が大きな問題がたくさんあり、これらの問題を解消しないまま、国民投票を実施した場合、国民の意向が反映されないまま、憲法が改正される危険があります。日本国の最高法規として国家権力の濫用を抑止するための憲法が、このような欠陥の多い手続で改正されるようなことになれば、日本の民主主義は自滅に向かうおそれがあります。

 さて、札幌弁護士会の主催で、11月15日に国民投票法をテーマに市民集会が開催されます。私も集会のお手伝いをするために参加する予定です。

  市民集会「憲法改正をめぐる情勢と『国民投票法』」のご案内

 民主主義の主役は私たち国民です。私たちは、主権者として日本の民主主義を守り抜き、後世に引き継いでいく責任があります。残念ながら、多くの人がいまだに憲法改正に関心を持っていませんが、現在と未来の日本の在り方に深い関心を持つ比較的少数の方々に、国民投票法の問題点を是非知っていただき、家族や同僚、知り合いに是非伝えていただきたいと思います。

 なお、国民投票法の問題点は、北海道弁護士会連合会の決議案に分かりやすくまとめられています。こちらをご覧ください。

清水 智